2013年12月5日木曜日

映画『ゆめのかよいじ』---五藤利弘監督@ネスパス


中越地震から10年。

そんな区切りの年、2014年も間近に迫る、
2013年12月14日(土)、長岡市出身・五藤利弘監督による、
栃尾を舞台にした映画『ゆめのかよいじ』が、
東京・渋谷にて公開されます。


『ゆめのかよいじ』公式HP
http://yumenokayoiji.jp/


映画『ゆめのかよいじ』は、大野安之の人気コミックの実写映画化です。
2人の少女の成長と、ファンタジックなラブストーリー。
栃尾の美しい風景とともに、中越地震をモチーフにしています。

◇◇◇
この映画を撮影した五藤監督は、新潟県長岡市出身。
テレビや映像作品の企画・脚本・演出、映画監督で、
代表作は、同じく栃尾で撮影された映画『モノクロームの少女』(09')。
 (『モノクロームの少女』公式HP http://www.is-field.com/monochrome/ )



---どうして『ゆめのかよいじ』を映画化しようと思われたのですか?


実は、前作『モノクロームの少女』を撮影するより前に、
『ゆめのかよいじ』の企画があったんです。

でも、予算の関係で『ゆめの・・・』ではなくて、
『モノクロームの少女』を撮影しました。
企画自体は2004年からスタートしていたので、
もう、10年前ですね。




---10年越し!
主にテレビの企画・脚本・演出を主軸に活躍する五藤監督。
どうして、長岡・栃尾を舞台にした映画を撮ろうと思われたのでしょうか?

きっかけは、中越地震。
故郷が被害を受けて「自分にできることはなんだろう」と考えたんです。
自分は映像に携わってきたので、映像として記録することだなと。
それで、映画を作ろうと思いました。

しかし、映像の仕事をしていたといっても、
自分でお金を集めて、自分の作りたいものを曲げずに作る、
その共感者を探すというのは、初めての経験で、
なかなか難しいこともありました。

決まりかけていたスポンサーのお話が
流れてしまったこともありましたが、最終的には、
元栃尾市長さんが「このまちが映画になるんだったら!」と
音頭をとってくださって、地元のたくさんの方々に応援して
いただいて、実現したのが『モノクロームの少女』。

自分たちの地元でも映画が撮れるんだ!
こんなに良いところだったんだ~!

そんな風に、地元の方々に喜んでいただける作品になりました。

その後、『モノクロームの少女』を観て下さった茨城の方に
「うちの地元でも映画を撮りたい」と、お声掛けいただいて作ったのが
『花蓮~かれん~』(2014年公開予定)。
茨城県の土浦や霞ケ浦周辺を舞台にした作品です。
ここで、今の助監督である川畑さんとも出会いました。

地元が映画になるって、嬉しいじゃないですか。

そんな地元の方の応援や気持ちがあって、
じゃあ2本目も、ということで、
『ゆめのかよいじ』につながっていったんです。


店頭で、栃尾の「あぶらげんしんくん」と
扇澤プロデューサーと一緒に、PR!




---今作では、予算面はどうやってクリアしたのでしょうか?

いや、実は・・・
予算は予定の3分の1くらいしかなかったんです。笑

でも、メインキャストがすごく良くて。
プロデューサーが「今しかないよ!」と言ってくれて、
予算面をクリアする前に撮り始めました。

その後、東日本大震災があり、
どうしても仕上げや宣伝費が足りなくなって・・・。
『モノクロームの少女』からずっと支えて下さって来た
東京栃尾郷人会会長さんにご協賛いただき、
最小限コストで公開にこぎつけました。

あぶらげんしんくんも応援しています!



---ところで、監督が映像のお仕事を志したきっかけは?

子供の頃から映画をつくりたかったんです。
大学で東京に進学しました。普通大学だったんですが、
自主映画などを制作していて、アルバイトで映画制作現場に入りました。

ホースを持って雨を降らせたり、崖くずれのシーンで石を転がしたり・・・
当時の自分は、これは遠回りだな、って思ってしまったんです。
それで、自分は脚本から映画に関わりたいと思って、
シナリオスクールに通い始めたのが大学4年の時。
そこでの人脈でお仕事をいただくようになり、フリーランスで約20年。

実家は農家で、親からは「5年やってダメだったら帰ってこい」と
言われていました。その期間を延ばすために、なんでもいいから
がむしゃらに仕事をして、現在にいたります。

映画の話をする時の、真剣なまなざし。



---故郷・長岡について思うこと

若いころはそうでもなかったんですが、
祖母の他界、母の他界が続いた時期があって、
家族や、故郷について考えるようになりました。
その後、2004年に中越地震があって、
地元を舞台にした映画作りに踏み出して・・・

どうあっても、故郷は故郷。
だんだん、自分のルーツというか、考えるようになってきました。

撮影の中で、地元の中でとても良い場所を見つけました。
栃尾のとある川にかかっている橋なんですが、
長岡の中で自分が一番好きな場所です。
映画にも何度も出てきているので、ぜひ探してみてください。


◆◆◆

穏やかな口調で、優しく、丁寧に語る五藤監督。
そんな監督の温かさが、作品にもにじみ出て、
世界観を作っているのかもしれないな、と思いました。

お忙しい中、貴重なお話ありがとうございました。

◆◆◆

最後に・・・・

一緒にPRに来てくださっていた、
栃尾の油揚げの豆撰”  取締役 多田さんから、
熱いメッセージをお預かりしました。

豆撰 http://mamesen.jp/ 


「わたし、もう3回見ちゃった!!

 監督の映像は特別に編集していただいて、
 うちのお店でも流しているんだけど、本当に綺麗!

 自分の故郷が映画になるってやっぱり嬉しいもの。
 『ゆめのかよいじ』は、恋のお話なんだけど、
 中越地震も出てきて・・・

 も~、ぜひ見てほしいです!!!!」


『ゆめのかよいじ』は2013年12月14日(土)~
ヒューマントラストシネマ渋谷で公開スタート!
全国でも順次ロードショー予定。最新情報は、
facebookからどうぞ!

私も公開を楽しみにしているうちのひとり。

栃尾出身ならずとも、要チェックです。



公開を楽しみにいています!!!