ネスパスには、新潟からたくさんの仕事人がいらっしゃいます。
先日行われた、栃尾織物工業組合さん主催の
「おりなす EXPO」。
平成18年から毎年、春と秋の年2回、
ネスパスで開催されている一大イベント!
栃尾と織物の歴史は深く、その起源は古事記の記載にはじまり、
その語、全国的な織物産地としてその名を広め、
現在は、「化合繊/天然素材/差別化新素材の複合」
「ストレッチ」を得意とする、織物の里へと変化してきました。
そんな栃尾の「おりなす EXPO」で出会ったのが、
こちら、白倉ニットの白倉さん。
白倉さんは、白倉ニットの専務取締役の他、
新潟県の織物業を活性化するための取り組みのひとつ、
「つもりプロジェクト」の取りまとめも兼任されていらっしゃいます。
◆つもりプロジェクト◆
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つもりプロジェクトって、いったいどんな活動なんでしょうか?
「3年前、新潟県の繊維産業を活性化しようと、
県の事業として起こったものが、今年から6社になって、
企業団体として独立しました。
(株)ハニーインターナショナルさん、栃尾ニット(株)さん、
丸和繊維(株)さん、第一ニットマーケティング(株)さん、
(有)ケイテイシーさん、そして(有)白倉ニット。
それぞれの得意分野(糸づくりやニットづくり、織りや編みなど)
を活かして、自分たち独自の商品を“作って売る”。
“つもりプロジェクト”の、これまでとの最大の違いは、
製造業である我々が、商品を企画・製造し、
実際に店舗や催事場に立ち、販売をすること。
今年は全国の百貨店で販売イベントも開催して、
地域ごと、フロアごとに全然違う反応があるのに驚きました。
また、 お客様の声を間近で聞き取れるというのも、大きな収穫でした。」
アパレル業界はしっかりと分業化されていて、
糸や布の製造に携わる方々は、お客様と直接触れ合う機会を
なかなか持てないのが現実。
そんな製造業の方々が、小売りにも挑戦することで、
新しい糸や布、織りや技術を、お客様の声からくみ取って活かす、
そんな循環が生まれようとしているんですね。
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“つもりプロジェクト”には、どんな商品があるんでしょうか?
「例えば、白倉ニットで言いますと、
無縫製の「ホールガーメット」という技術があります。
生地を縫い合わせないで服ができるので、
着心地がよく、コストカットにもつながるし、
360度伸びるニットになります。
その技術で作ったのが「だんごクッション」。
外部のデザイナーやプロデューサーさんとは、
各社さんが直接やりとりをしています。」
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ちなみに白倉さんは、Uターン就職だそうですが・・・
「東京へ出て、その後、和歌山県にある
ニットや布の「編み機」をつくる会社に就職。
たくさんの織りや編みの技術を見て、最新の機械などに触って、
その後、実家である新潟・白倉ニットに転職しました。」
東京、和歌山、新潟、3つの場所を見てきた白倉さんには、
新潟県はどんな風に見えているのでしょうか?
「新潟と他県の違い・・・
やっぱり、ごはんが美味しいところかな。
雪がすごいとか・・・
あと、和歌山の子たちは買い物は大阪・奈良に行くんですけど、
新潟の子は、新潟で買い物をする印象があります。
新潟県は広いから場所にもよるだろうけど、
いい意味で、どの都会からも遠いという立地は、
新潟ならではかなと思います。」
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ちなみに、白倉ニットさんのホームページはとてもおしゃれ!
知り合いのWEBデザイナーさんに作ってもらったそうです。
他にも、糸井重里さんとコラボしてハラマキを作ったり・・・
「つもりプロジェクト」以外にも、外部の方々と一緒に、
新しいことに挑戦することが上手な印象な白倉ニットさん。
そんな白倉ニットさんたちが進めている、
「つもりプロジェクト」。
培ってきた確かな技術力と、新しい時代の流れを受け入れる柔軟さで
生み出されるプロダクトの数々が、これからも楽しみです!
「他とはちがう、新潟ならではのものづくりをかたちにすることが、
「つもりプロジェクト」の現在の課題です。」
製造業の視点×売り場の感覚。
この掛け算で、これからどんなものが生まれてくるのでしょうか。
新潟の「つもりプロジェクト」、ぜひお見知りおきを!
■つもりプロジェクト
■有限会社白倉ニット