2013年4月16日火曜日

大力納豆・坂詰仁さん~特集・新潟仕事人vol.7


ネスパスには、新潟からたくさんの方々がいらっしゃいます。
今回は、新潟・魚沼の大力納豆 3代目、坂詰 仁さんをご紹介します。

新潟といえば納豆!
・・・と言われると、違和感がありますよね。

しかし、米どころ新潟。
ごはんのおともになくてはならないのが「納豆」です。
納豆と新潟の意外な関係とは?
納豆のプロ・坂詰さんに教えていただきました。




◆◆
~驚き 魚沼の納豆占い~
魚沼地域では昔、納豆が占いとしても活用されていたそうです。

*12月25日(納豆五日)
   ・・・納豆を仕込む日。藁につつみ、雪の中で発酵させます。
*12月31日(大晦日)
   ・・・納豆の出来を確認する日で、この納豆は占い的な意味もあったそうで、
     納豆の出来が良ければ、新年はいい年だ!となるし、
     悪ければ、気を引き締めていこう、とみんなで言ったそうです。
             
そして新年、出来の良かったおうちは、近所の方々に納豆を配って歩いたのだとか。

◆◆
~驚き 夏納豆ってなんだ!?~
夏納豆は、魚沼地域に昔からある食べ物です。
寒い寒い魚沼地域。冬場は冷蔵庫のない時代も、
なんら問題ありませんでしたが、問題は夏場。

どうにか夏場も納豆を食べられないか?
ということで考え出されたのが、こちら夏納豆(「塩こうじ納豆」)。



塩こうじ、と聞くと最近開発されたもののように感じますが、
大きなカメに納豆を入れ、塩とこうじを加え、しょっからくしたもの。
魚沼地域、それに新潟や山形などに昔からある保存食だそうです。

帰省の際に家庭に出てきて喜ばれたり、お土産にしたり・・・
現在は、しょっぱさは調整してあるのでご安心くださいね

◆◆

いやいやいや、
新潟と納豆、こんなつながりがあるなんて知りませんでした!
最近では、魚沼の「きりざい」も、注目されています。
納豆と、すっかく(漬けすぎてすっぱく)なった漬物を混ぜて、
ごはんと一緒にかっ込む、栄養満タンの郷土料理です。



現在の課題と、これからの展望について、伺ってみると・・・

「新潟県内で言うと、昭和40年ころには70社あった
納豆屋も、現在は実質10社ほど。
 高齢化や跡継ぎ問題など、課題はいろいろあります。

 自分もどこかで聞いた言葉なんだけど、

 “愚痴を聞いて育った人間が、同じ仕事をやりたい、
  なんて思ってくれるわけがない“

 つかれた~、しんどい~、こんな仕事、先がねぇ~
 って毎日聞かされてれば、誰だってやりたくないでしょ?

 だから、愚痴らないこと。
 これは大切にしています。 
 
 愚痴と一緒だと、酒も飯もまずくなっちゃうしね。笑」



どうせ飲むなら美味い酒。
どんな仕事でも、というか人間には、これって共通ですよね。

「私は、全国納豆協同組合連合会の青年同友会という、
 若い衆の長もつとめさせていただいています。
 今、米の消費量が減っていることに危機感を持っていて。
 このままいくと、日本食が廃れるんじゃないか、心配です。

 納豆は、ごはんのおとも。ごはんが減れば、納豆も減る。
 だから、納豆だけでなく、日本食文化を盛り上げていかないと。
 そんな活動ができたらいいな、と、考えているところです。」



ちなみに、坂詰さんご自身は、納豆屋さんを継ぐとき、

迷いや葛藤はなかったのでしょうか?

「もちろん、ありましたよ。ありましたけどね。
長男だったし、周りが納豆屋のせがれとして見るわけです。

 高校の選択授業で、音楽、美術、書道があって。
 音楽を選ぼうとしたら、「おまえ、納豆屋が音楽じゃないだろう」と言われて。
 思春期の少年にとっては、衝撃のできごとでした。笑
 結局、そこで書道を選びましたけどね。

 でも、改めて考えてみると、おふくろ(2代目)から、
 仕事の愚痴って・・・・聞いたことがないかもしれない。

 ・・・うん、そうだわ。
 忙しいことがうれしい人だからなぁ。

 だから納豆屋になれてるのかも。」






ちなみに現会長で坂詰さんのお母様である坂詰直枝さんは、
ネスパスのホームページにも登場していただいています。

粘り強い「大力納豆」、その力の源は、
忙しいことを嬉しく思う前向きさなんじゃないか。
そんな気がしました。

大力納豆の坂詰さん。
ぜひ知っていただきたい、新潟の粘り強い納豆屋さんです。



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大力納豆      http://www.dairikinatto.co.jp/
946-0035
新潟県魚沼市十日町360-6
TEL 025-792-0411FAX 025-792-7089
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