ネスパスには、新潟からたくさんの方々がいらっしゃいます。
今回は、新潟・魚沼の大力納豆 3代目、坂詰 仁さんをご紹介します。
新潟といえば納豆!
・・・と言われると、違和感がありますよね。
しかし、米どころ新潟。
ごはんのおともになくてはならないのが「納豆」です。
納豆と新潟の意外な関係とは?
納豆のプロ・坂詰さんに教えていただきました。
◆◆◆
~驚き① 魚沼の納豆占い~
魚沼地域では昔、納豆が占いとしても活用されていたそうです。
*12月25日(納豆五日)
・・・納豆を仕込む日。藁につつみ、雪の中で発酵させます。
*12月31日(大晦日)
・・・納豆の出来を確認する日で、この納豆は占い的な意味もあったそうで、
納豆の出来が良ければ、新年はいい年だ!となるし、
悪ければ、気を引き締めていこう、とみんなで言ったそうです。
そして新年、出来の良かったおうちは、近所の方々に納豆を配って歩いたのだとか。
◆◆◆
~驚き② “夏納豆”ってなんだ!?~
夏納豆は、魚沼地域に昔からある食べ物です。
寒い寒い魚沼地域。冬場は冷蔵庫のない時代も、
なんら問題ありませんでしたが、問題は夏場。
どうにか夏場も納豆を食べられないか?
ということで考え出されたのが、こちら“夏納豆”(「塩こうじ納豆」)。
塩こうじ、と聞くと最近開発されたもののように感じますが、
大きなカメに納豆を入れ、塩とこうじを加え、しょっからくしたもの。
魚沼地域、それに新潟や山形などに昔からある保存食だそうです。
帰省の際に家庭に出てきて喜ばれたり、お土産にしたり・・・
現在は、しょっぱさは調整してあるのでご安心くださいね♪
◆◆◆
いやいやいや、
新潟と納豆、こんなつながりがあるなんて知りませんでした!
最近では、魚沼の「きりざい」も、注目されています。
納豆と、すっかく(漬けすぎてすっぱく)なった漬物を混ぜて、
ごはんと一緒にかっ込む、栄養満タンの郷土料理です。
現在の課題と、これからの展望について、伺ってみると・・・
「新潟県内で言うと、昭和40年ころには70社あった
納豆屋も、現在は実質10社ほど。
高齢化や跡継ぎ問題など、課題はいろいろあります。
自分もどこかで聞いた言葉なんだけど、
“愚痴を聞いて育った人間が、同じ仕事をやりたい、
なんて思ってくれるわけがない“
つかれた~、しんどい~、こんな仕事、先がねぇ~
って毎日聞かされてれば、誰だってやりたくないでしょ?
だから、愚痴らないこと。
これは大切にしています。
愚痴と一緒だと、酒も飯もまずくなっちゃうしね。笑」
どうせ飲むなら美味い酒。
どんな仕事でも、というか人間には、これって共通ですよね。
「私は、全国納豆協同組合連合会の青年同友会という、
若い衆の長もつとめさせていただいています。
今、米の消費量が減っていることに危機感を持っていて。
このままいくと、日本食が廃れるんじゃないか、心配です。
納豆は、ごはんのおとも。ごはんが減れば、納豆も減る。
だから、納豆だけでなく、日本食文化を盛り上げていかないと。
そんな活動ができたらいいな、と、考えているところです。」
ちなみに、坂詰さんご自身は、納豆屋さんを継ぐとき、
迷いや葛藤はなかったのでしょうか?
「もちろん、ありましたよ。ありましたけどね。
長男だったし、周りが納豆屋のせがれとして見るわけです。
高校の選択授業で、音楽、美術、書道があって。
音楽を選ぼうとしたら、「おまえ、納豆屋が音楽じゃないだろう」と言われて。
思春期の少年にとっては、衝撃のできごとでした。笑
結局、そこで書道を選びましたけどね。
でも、改めて考えてみると、おふくろ(2代目)から、
仕事の愚痴って・・・・聞いたことがないかもしれない。
・・・うん、そうだわ。
忙しいことがうれしい人だからなぁ。
だから納豆屋になれてるのかも。」
ちなみに現会長で坂詰さんのお母様である坂詰直枝さんは、
ネスパスのホームページにも登場していただいています。
粘り強い「大力納豆」、その力の源は、
忙しいことを嬉しく思う前向きさなんじゃないか。
そんな気がしました。
大力納豆の坂詰さん。
ぜひ知っていただきたい、新潟の粘り強い納豆屋さんです。
◆◆◆
〒946-0035
新潟県魚沼市十日町360-6
TEL
025-792-0411/FAX 025-792-7089
◆◆◆