2013年7月9日火曜日

特集・新潟仕事人vol.11 ~有限会社たちばな・南直樹さん



「休憩は、153歳から。」

ネスパスには、たくさんの仕事人がいらっしゃいます。
今回は、世界を見据え、前向きに。
発酵食、日本食の伝承・発信を行う、
有限会社たちばな 代表取締役社長 南 直樹さんに
お話を伺ってきました。


長岡市の機械加工や鋼を扱う製造業、株式会社丸菱電子の
代表取締役をつとめる南さんは、イタリアでのとある出会いから、
2009年に「越後長岡味噌醸造」を継承、食の世界に参入し、
(有)たちばなの社長を兼任。

食品の製造・販売を行う「たちばな本舗」、
味噌のアンテナショップとお食事ができる「ラウンジたちばな」、
長岡の伝統野菜を中心に農業を行う「たちばな農縁 -nouen-
などを展開していらっしゃいます。

株式会社丸菱電子 http://www.marubishi-ht.com/
有限会社たちばな http://www.misodama.jp/

そんな南さんは、(有)たちばなの立ち上げ当初、
こんなビジョンを語っていらっしゃいました。

2005年にイタリアでスローフードに出会って、
2009年に越後長岡醸造味噌を継承した。

 10年後を目途に、ヨーロッパに日本食レストランを出店し、
 日本食をヨーロッパに持ち込む道をつくりたい。
 
 2015年には「地球を保護する環境とエコと食」をテーマに、
 ミラノ万博が開催される。この万博を手掛かりとして、
 味噌や発酵食品を展開し、世界を驚かせたい。」


そんな南社長がネスパスに登場!
ということで、早速会いにいくと・・・


「2013年4月に、フィレンツェに駐在所を構えました。」

こちらがフィレンツェ駐在所。お洒落!!


!!!


イタリアと、長岡市と、お味噌と、金属加工の製造業、
そして、南直樹社長。
一体、どんな出会いでつながっていったのでしょうか?

◆◆◆

「“越後長岡味噌醸造”を継承した最初のきっかけは、
 2005年、プライベートのイタリア旅行。
もともと、イタリアのファッションや車が好きで。
旅行中に、スローフード・スローライフという言葉に出会いました。」

スローフードの理念は、“地産地消”。
これに感銘を受け、まずは地元・長岡で地産地消を
推進するNPOに加盟し、製造業向けに長岡の野菜や
味噌漬けを配布、紹介する活動をスタート。




しかし、その味噌漬けを作るためのお味噌を
作っていた「越後長岡味噌醸造」が廃業してしまう、
という危機が、2009年に訪れました。
  
「仕入れ先がなくなってしまうのは困る。
 それに100年も続いてきたものをなくすのはもったいない。
 それで、継承させていただけることになりました。」



全くの別業界への挑戦。

躊躇はなかったのでしょうか?


「扱うものは違うけど、
 いいものをつくりたい” という気持ちは同じ。
 それに、違う畑だから逆に良いこともあります。

 例えば、(株)丸菱電子での業務では、東京での商談も多いので、
 東京の料亭やレストランさんとも仲良くしていて。
 少々高くても品質のいいものや、何か付加価値のあるもの、
 そういうものを使いたい、そんな料理人の声を聞いていた。
 使う人にどんなものが喜ばれるのか分かっていたのは、
 大きなメリットでした。」

◆◆◆

(有)たちばなの商品で印象的なのが、素敵なパッケージ。
どの商品も可愛くて、思わず手に取りたくなります。



「この包装紙は、2009年の当初から使っています。

橘の花で、世界地図を描いているんです。
 ここがヨーロッパでアメリカで、日本で・・・
 うちの商品が、世界に広がっていくように。」


なるほど~!
可愛いだけでなく、想いのこもった熱いデザイン!
その世界地図への第一歩が、フィレンツェ駐在所なんですね。


「フィレンツェには、現在1名の駐在員と、御縁のあったサムライがいます。

 それぞれ、日本文化を世界に伝えたいという想いや、
 “ニンジャ村”を作りたいという夢がある。



 フィレンツェにある、ワインメーカーの1室をシェアさせていただいて、
 駐在所をスタートしました。
 将来的には、ここで農業をやって、商品を作って、レストランも出して、
 もちろん自分も、ゆくゆくはここのオーナーとして働いて・・・。

 現在、イタリアで偶然出会った映画監督や投資家さんたちとも、
 様々なことを計画中。
 「できたらいいね」っていう話で、現実的ではないけど、
 フィレンツェの片田舎で、おじさんたちが集まって、
 楽しい計画をしているわけです。」

外国語は出来ない、とおっしゃる南さん。
コミュニケーションは「身振り手振りで。」だそうです。
う~ん、すごい!

◆◆◆

そんな南さんに、ご自身の30年後について、伺ってみました。


「30年後だと、70半ばになってますかね・・・

 貿易関係の仕事をしてるんじゃないかなぁ。
 まだまだ、現役で働いているはずですね。

 ちょうどこの間、これからの人生について、
 書き出してみたんです。
 何歳でどんなことをして・・・というような、
 未来の自分の年表ですね。

 その結果、153歳までは休憩できないな、と。

 ウィスキーの「オールド・パー」という
 銘柄をご存じですか?
 このウィスキーのラベルのモデルが、
 イギリスの農夫で152歳(世界最高齢記録)まで
生きたといわれている、「トーマス・パー」という人物。
 
 だから、152歳ではなくて、153歳まで生きたいね。
 彼を超えたいね。」




◆◆◆

大きな夢も、ビジョンも、この人だったら、
きっと実現できてしまうんじゃないだろうか。
そんな風に思わせる、不思議な魅力のある方でした。

(有)たちばなのことをもっと知りたい!
そんな方は、ぜひ、長岡市にある「アンテナショップ」へ。




各種商品の販売はもちろん、味噌の量り売りや、
みそジェラートにみそ玉カレーなど、
料理やお酒のご提供、素敵な時間を過ごせる場所。

◆◆◆

153歳まで、生涯現役で走り続けたい。

南直樹さんと、有限会社たちばなさんの、
これからの益々の活躍に、目が離せません!

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【アンテナショップたちばな本舗】
新潟県長岡市
東坂之上町1-11 
フェニックス大手セントラルレジデンス
TEL/FAX
0258-86-8666
E-MAIL
misoya@kvp.biglobe.ne.jp
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【味噌蔵-宮栄工場】
新潟県長岡市宮栄3丁目518
TEL : 0258-32-1533
FAX : 0258-37-2818
E-MAIL:tachibana@misodama.jp
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