2013年5月16日木曜日

つもりプロジェクト代表・白倉龍典さん~特集・新潟仕事人vol.9


ネスパスには、新潟からたくさんの仕事人がいらっしゃいます。

先日行われた、栃尾織物工業組合さん主催の
「おりなす EXPO」。
平成18年から毎年、春と秋の年2回、
ネスパスで開催されている一大イベント!


栃尾と織物の歴史は深く、その起源は古事記の記載にはじまり、
その語、全国的な織物産地としてその名を広め、
現在は、「化合繊/天然素材/差別化新素材の複合」
「ストレッチ」を得意とする、織物の里へと変化してきました。
そんな栃尾の「おりなす EXPO」で出会ったのが、
こちら、白倉ニットの白倉さん。




白倉さんは、白倉ニットの専務取締役の他、
新潟県の織物業を活性化するための取り組みのひとつ、
「つもりプロジェクト」の取りまとめも兼任されていらっしゃいます。

◆つもりプロジェクト◆


◆◆◆

つもりプロジェクトって、いったいどんな活動なんでしょうか?


「3年前、新潟県の繊維産業を活性化しようと、
 県の事業として起こったものが、今年から6社になって、
 企業団体として独立しました。

 (株)ハニーインターナショナルさん、栃尾ニット(株)さん、
 丸和繊維(株)さん、第一ニットマーケティング(株)さん、
 (有)ケイテイシーさん、そして(有)白倉ニット。

 それぞれの得意分野(糸づくりやニットづくり、織りや編みなど)
 を活かして、自分たち独自の商品を“作って売る”。
 
 “つもりプロジェクト”の、これまでとの最大の違いは、
   製造業である我々が、商品を企画・製造し、
  実際に店舗や催事場に立ち、販売をすること。

  今年は全国の百貨店で販売イベントも開催して、
  地域ごと、フロアごとに全然違う反応があるのに驚きました。
  また、 お客様の声を間近で聞き取れるというのも、大きな収穫でした。」




アパレル業界はしっかりと分業化されていて、
糸や布の製造に携わる方々は、お客様と直接触れ合う機会を
なかなか持てないのが現実。
そんな製造業の方々が、小売りにも挑戦することで、
新しい糸や布、織りや技術を、お客様の声からくみ取って活かす、
そんな循環が生まれようとしているんですね。
◆◆◆


“つもりプロジェクト”には、どんな商品があるんでしょうか?


「例えば、白倉ニットで言いますと、
 無縫製の「ホールガーメット」という技術があります。

 生地を縫い合わせないで服ができるので、
 着心地がよく、コストカットにもつながるし、
 360度伸びるニットになります。

 その技術で作ったのが「だんごクッション」。


 外部のデザイナーやプロデューサーさんとは、
 各社さんが直接やりとりをしています。」


◆◆◆

ちなみに白倉さんは、Uターン就職だそうですが・・・

「東京へ出て、その後、和歌山県にある
 ニットや布の「編み機」をつくる会社に就職。
 たくさんの織りや編みの技術を見て、最新の機械などに触って、
 その後、実家である新潟・白倉ニットに転職しました。」


東京、和歌山、新潟、3つの場所を見てきた白倉さんには、
新潟県はどんな風に見えているのでしょうか?


「新潟と他県の違い・・・
 やっぱり、ごはんが美味しいところかな。
 雪がすごいとか・・・

 あと、和歌山の子たちは買い物は大阪・奈良に行くんですけど、
 新潟の子は、新潟で買い物をする印象があります。

 新潟県は広いから場所にもよるだろうけど、
 いい意味で、どの都会からも遠いという立地は、
 新潟ならではかなと思います。」



◆◆◆
ちなみに、白倉ニットさんのホームページはとてもおしゃれ!
知り合いのWEBデザイナーさんに作ってもらったそうです。
他にも、糸井重里さんとコラボしてハラマキを作ったり・・・
「つもりプロジェクト」以外にも、外部の方々と一緒に、
新しいことに挑戦することが上手な印象な白倉ニットさん。

そんな白倉ニットさんたちが進めている、
「つもりプロジェクト」。

培ってきた確かな技術力と、新しい時代の流れを受け入れる柔軟さで
生み出されるプロダクトの数々が、これからも楽しみです!




「他とはちがう、新潟ならではのものづくりをかたちにすることが、
 「つもりプロジェクト」の現在の課題です。」


製造業の視点×売り場の感覚。
この掛け算で、これからどんなものが生まれてくるのでしょうか。

新潟の「つもりプロジェクト」、ぜひお見知りおきを!


■つもりプロジェクト

■有限会社白倉ニット